オカルト - A1318

好奇心の赴くままに、変人がオカルトを語る

ひそかに囁かれる「地震兵器」にまつわる陰謀論

 テイラー・スウィフトがちょっぴり話題になっていた。
曰く、テイラー・スウィフトが政府の秘密工作に関わっている」とのこと。

……なんで?
あの人の影響力はたしかに凄まじいけど、あくまで一般人でしょ?

まあ普通に陰謀論ですよね。デマの類。

で、この陰謀論が気になった私は「アメリ陰謀論」っていうワードでGoogle検索してみたんですよ。そしたら、こんな記事が出てきました。

「日本の巨大地震は、ロシアが対アメリカを想定して行った地震兵器の実験!?」

 そんな阿呆な。
いくらなんでも、そりゃあないでしょうよ。
まあ、ロシアの地震兵器系陰謀論は昔から有名ですけど。


ここで1つ、有名な陰謀論をご紹介。

 ロシア東北部に位置するチュクチ自治区Google Earthで見ると、山間部の真ん中に、まるで地図が切り貼りされたかのような不自然に平らな土地が現れる。この土地をロシア国内の地図で確認しようとしても、黒塗りされていて確認できない。噂によれば、この土地はHAAP(高周波活性オーロラ調査プログラム)を用いた地震兵器の開発が行われている。

……うーん、眉唾。

チュクチ自治区の山間部(Google Earthより)

たしかに不自然な地形だけど、だからって「ヤバい兵器の開発研究所がある」とはならないでしょうよ。
変わったことを考える人もいるものだなぁ……

 

!?

 

色々調べてたら、Amazonで妙な書籍が売られていました。以下、この書籍のキャッチコピーです

 阪神大震災も、ハリケーンカトリーナもやはり軍事攻撃だったのか!?
最先端の軍事技術は、大国の指導者たちに、秘密戦争を遂行するためのさまざまな手段を提供している。気象調節の技術を用いて、敵側に長期の早魃や嵐を発生させる方法もとれる。そうすれば敵側の国力が弱まり、自国の要求をのませることができるからだ。
気象兵器人工地震兵器も今や空想の産物ではない。それは既に存在し、確かに実用段階に至っているのだ。

 Oh……Mayutuba……でも、けっこう売れてる……
ちょっと読んでみたら案外しっかりした文章で書かれており、信じちゃう人いるだろうなぁっていう印象でした。難しいカタカナ用語や専門用語で煙に巻こうとしている感も否めないですが。

 あと、こんなのもありました。

さらに胡散臭い……

 キャッチコピーはこんな感じ。

ロシアによる核攻撃でアメリカ大炎上。日本は中国の統治下に。反キリストが独裁支配する1984型新世界秩序という地球ワンワールド奴隷制。そして、「キリスト再臨」によるサタン退治の地球大戦争ハルマゲドン」ヘーー。

今後13年は、悲惨過酷な阿鼻叫喚の大連続!!それでも日本は滅びない!!全ては、日本(人、魂、山川草木国土悉皆)が、次なるステージに向けて良くなる大仕組み!!その全容を本書は明かす!聖書《イエス》の真髄に触れ余命1年の末期がんが消えた著者が贈る、渾身の人類救済の書!!

 ( ゚д゚)ポカーン

スカラー波兵器とイルミナティ
パナウェーブ研究所および千乃正法会は新世界秩序に対抗する正義の秘密結社だったとでも言うのでしょうか?

 眉に唾とポマードとベッコウ飴を塗りたくるレベルの胡散臭さ。こちらもけっこう売れているようですが、さすがに読む気にはならなかったです。
そういえば、能登半島地震があった時も人工地震説が出てましたね。
でも、人工地震説なんて関東大震災の時からあったんですよ。
なんでも、地震発生直後の警察署に「人工地震なのか?」という問い合わせが殺到したそうな。
……いつの時代も陰謀論ってあるんですね。

関東大震災は人工地震!闇の陰陽師加藤保憲による陰謀!!!

 色々調べているうちに、これを思い出しました。
荒俣宏先生の『帝都物語』めちゃくちゃ面白いので、陰謀論に関する妙な書籍を読んでいる暇があったら、こっちを読んでください。



クトゥルフ神話の片隅、『壁の中の鼠』を読んで

 もう何度目になるか、H・P・ラヴクラフトの『壁の中の鼠』を読んでいました。
クトゥルフ神話で有名なラヴクラフトの作品の中で、三番目くらいに好きな作品です。
今日はこの作品についてちょっと解説して、クトゥルフ神話に対する考察をしていけたらと思います。

なぜ部屋にこもって小説を読んでいたかといえば、天候が原因です。今日は奥多摩の忌み地「御霊の尾根」にてハイキングと洒落込もうと思っていたのですが、本日の天気は雪。奥多摩の山なんぞに分け入れば、私自身が御霊の尾根に棲む霊のうちの一体になってしまいます。という訳で、おとなしく布団をかぶって読書です。

私の愛読書『ラヴクラフト全集』大瀧啓祐訳です。繰り返し読んでいるので、保存状態は芳しくない。書店で結構安く買えますので、未読の方はぜひお買い求めください。

  さて、まずは『壁の中の鼠』のあらすじなのですが、

 戦争で一人息子を失い傷心のデラポーア氏。イングランド貴族である彼は御先祖様の土地を買い戻し、そこの古城に住み始めた。しかし城の壁の中からは、存在しないはずの鼠たちが駆け回る、猥雑で不愉快な足音が響いてくる。頭を悩ませたデラポーア氏は友人たちと共に、姿の見えない鼠の駆除に乗り出す。調べを進めるうちに、鼠たちの足音の正体とデラポーア家のDNAに刻み込まれた呪わしい真実が明らかになっていく……

っていう感じです。オチは伏せます。
ラヴクラフトの小説には珍しい、わりと正統派のホラーです。

壁の中から大量のネズミの足音……想像もしたくないですね。
まさにホラー……
って思ったら、こういう事例って現実でも案外あるらしいんですよ。ネズミ、ハクビシン、テン、コウモリとかが実際に住み着いちゃうらしいんです。

 一風変わった例もあって、1957年のアメリカで「壁の中から猫の声がする」という事案が発生しました。壁に閉じ込められた猫を救出しなきゃ!っていうことになって、警察や新聞まで巻き込んだ一大騒動に発展したそうです。しかしどれだけ壁に穴を開けて探しても、誰も猫を見つけることができない。
まだ探したりない? まさか猫の幽霊? ……

ところがどっこい、音響検査をしてみたところ、猫の鳴き声によく似た環境音が家の配管から響いていただけというオチでした。猫は救出されず、家は穴だらけ。骨折り損のくたびれもうけとはまさにこのことですね。
 ラヴクラフトの『ウルタールの猫』とかポーの『黒猫』とか、猫はホラーと親和性高いんですけど、この件は現実的な解決となってしまいました。残念。

 2021年には、ガチで家の壁から子猫が救出された例もあるのですが、それに関してはホラー要素もミステリー要素もないので割愛。

 さて、話を『壁の中の鼠』に戻しますが、このお話の最後にニャルラトホテプが出てくるんですよね。アホ毛美少女ではありません。クトゥルフ神話トリックスター、「気の狂ったのっぺらぼうの神」の方です。

 デラポーア家に隠された秘密に気づいてしまったデラポーア氏は、存在が不安定な未知なる無限の深淵を目にした。その深奥に存在するのがニャルラトホテプであり、二人の精神が壊れた眷属が吹く笛の音に合わせて出鱈目な声を張り上げている……

要約するとこんな感じです。怖っ

 ニャルラトホテプは、ラヴクラフトの夢に現れた不吉な存在を小説に落とし込んだ存在として知られています。彼はダゴンクトゥルフをデザインするときに、自身の海洋恐怖症をモチベーションとしていました。しかしニャルラトホテプは海洋とは関係のない外見や能力を持っており、その成立過程も海洋とは関係がありません。夢に現れた存在も、作中のニャルラトホテプほど強烈なキャラクターではありません。
そのことから、ニャルラトホテプのモチーフは何?という疑問を、ラヴクラフト好きな人なら一度は抱いたことがあるでしょう。

 私は、そんな疑問を解決してくれるのが、この『壁の中の鼠』だと考えています。
読んでいると分かりますが、作中でニャルラトホテプが存在した深淵は、デラポーア氏の狂気そのものと考えることができます。その考えに従うと、「ニャルラトホテプの出鱈目な声」は、彼を繧ォ繝九ヰ繝ェ繧コ繝? へと駆り立てる声なんです!!!
 ラヴクラフトは海洋だけでなく、繧ォ繝九ヰ繝ェ繧コ繝? も大変嫌っていました。そのことも合わせて考えると、ニャルラトホテプという存在は、ラヴクラフトが常に抱いていた莠コ髢薙′莠コ髢薙?閧峨r鬟溘≧縺ィ縺?≧遖∝ソ の狂気、そしてその根源的欲求への恐怖を形にした存在なのかもしれません。

フランシスコ・デ・ゴヤ『我が子を食らうサトゥルヌス』

※ ネタバレ防止のために一部文字化けしておりますが、察していただくか、実際に作品を読んでいただければ嬉しく思います。

オカルト語りを始めようかと思います(御挨拶)

 はじめまして。オカルトマニアの一般人です。
ホラーとか神話とかその他諸々、オカルトじみたものばかりを追っているので、私の体験や考察を皆さんにお裾分けしようと思いブログを始めてみました。
 (ちなみに無宗教なので、宗教のこともオカルトだと思っています)

好奇心の赴くまま、オカルトを実体験したり調査したり、文献を漁ったりしながら語っていけたら良いと考えています。孔子先生に「怪力乱心を語るな」と怒られそうですね。

 

陰陽道の聖地、晴明神社。普段はこういうところをウロチョロしています

 ひとまず今日は御挨拶のみにとどめておきますが、近日中に忌み地「御霊の尾根」を散策して霊障をもらってこようと思います。霊障のお裾分けが欲しいという方は楽しみに待っていて頂けると幸いです!
 それでは、これから宜しくお願い致します!!!

多くの地域で「目」は陽の力を蓄えていると信じられています。
だから私は「目」というモチーフを好んで使います。

ブログタイトルの「A1318」という文字列、オカルト好きな人なら何か分かるのではないでしょうか? 分かる人、探しています。